<学校教育実践学専攻 学校教育臨床連合講座>
辻河 昌登(つじかわ まさと)
学位/

1992.03.31 修士(心理学)

専門分野/ 臨床心理学、精神分析学
担当授業科目/ 学校教育相談特別研究,課題研究
主な研究課題/   私が心理臨床の場で出会う子育て世代のクライエントの中には、自分が子どもの頃に親との間で情緒応答性のある関係を体験しておらず、そうした関係的な欠損を我が子との間で埋め合わせようとしている方が数多く存在している。そこでは親子の役割は逆転し、親の欲求を感じ取った子どもは親に対して親の親であるかのように振る舞い、親の世話役となることに自身の存在価値を見出し、世話されるべき子どもとしての依存欲求を抑圧していることがうかがわれる。こうした親子の関係パターンは彼らの子どもの現実の対人関係にも波及しており、子どもは「自分らしくある」ことが困難になって苦悩している。親であるクライエントから、過去の自分の親との関係的なエピソードを聞くたびに、クライエントの訴える問題には彼らの親ないしは先代からの未解決の問題が潜んでおり,その問題が世代間で伝達されることによって子どもがその問題を背負わされ,症状や行動として表現しているのではないかと考えさせられる。私はこうした事例を数多く体験するうちに、上の世代(親の親)と親とその下の世代(子ども)といった三世代の相互的な関係の中で起こる「世代間伝達」という観点からクライエントの問題を理解することの重要性を痛感し、それが重要な臨床的作業の一つであると考えるようになった。
 今後はこの「世代間伝達」の問題について、対人関係精神分析ならびに関係精神分析の視座から考察を深めていくことが主な研究課題である。
主な著書・論文等/
  1. 親の世話役として生きることをめぐって−世代間伝達の心理臨床−『心理臨床学研究』第29巻4号
  2. LGBT当事者の理解にナラティヴ生成が果たす役割,『心理臨床学研究』第29巻1号
  3. 摂食障害という病によって浮き彫りにされた世代間伝達の問題,『心理臨床学研究』第28巻5号
  4. 大阪府私立幼稚園におけるキンダーカウンセラー活動に関する調査研究,『心理臨床学研究』第27巻1号
  5. 知的発達に遅れがある小学生への家庭教師による教育的支援,『学校心理学研究』第8巻1号
  6. 障碍を有する可能性のある子どもの親に対する「受診前後カウンセリング」,『心理臨床学研究』第22巻6号
  7. 見捨てられる不安を訴えるクライエントとの心理療法,『精神分析研究』第47巻3号
  8. 水と唾液へのこだわり行動を行う重度自閉症児との自閉の共有,『心理臨床学研究』第17巻1号
  9. 中核葛藤関係テーマ(CCRT)法による心理療法家の訓練に関する研究,『心理臨床学研究』第15巻3号
学会及び社会に
おける活動等/
  1. 日本精神分析学会認定 精神分析研究会・神戸 運営委員(現在に至る)
  2. 兵庫県臨床心理士会 理事(平成20年3月まで)
  3. 広島精神分析研究所 理事(平成21年3月まで)
  4. 精神分析的心理療法フォーラム 運営委員(平成21年5月まで)