第19回「細胞と分子の織りなす知能発達:脳の形成・発達研究でわかったこと」

教育実践学フォーラム~学校教育の諸問題と可能性を求めて~
2009年度メインテーマ「教育-脳科学からのアプローチ-」

第19回「細胞と分子の織りなす知能発達:脳の形成・発達研究でわかったこと」

 兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科 教育実践学フォーラム2009「教育-脳科学からのアプローチ-」の第3回目は,佐藤 真先生(福井大学医学部形態機能医科学講座組織細胞形態学・神経科学領域 教授, 福井大学生命科学複合研究教育センター センター長, 医学部副学部長)をお招きし,「細胞と分子の織りなす知能発達:脳の形成・発達研究でわかったこと」と題して,ご講演いただきました。
 佐藤先生は,ご講演内容を次のように述べられている。
 「イチローやタイガーウッズは教育の賜物」なのだろうか?第二のイチローやタイガーウッズを生むことができるのであろうか?「子どもの能力をいかに伸ばすか」が国の将来をも左右すると言われ,「学力」や「能力開発」がマスコミの話題となることも多い。ヒトをヒトたらしめているのが脳であり,「脳の仕組みとその発達を科学する」ことは,大仰に言えば人間のあり方そのものの理解につながる重要な営みとも思える。ただし,残念ながら「脳発達に関する脳科学」はいまだ発展途上である。分子や細胞レベルでの仕組みと実際の「脳形成・機能発達」がどのように結びつくか,研究の現場で「わかったこと」「わかりつつあること」を述べ,科学的な目で脳とその機能発達の仕組みを考えてみたいと思う。
 そのお言葉通り,複雑な脳の仕組みについて,最新の研究に至るまで,分かりやすく,正確にお話しくださいました。学習や発達障害を細胞や分子レベルから説明されたことは,まさに,「教育:脳科学からのアプローチ」と題した今年度の教育実践学フォーラムのテーマのそのものであったと思います。
 参加者の多くの方たちから,「脳の形成・発達研究を解り易く説明して頂き興味深かった」,「基礎研究の最新の成果と我々の日常的な経験とをつなぐようなわかり易い語り口で,お話いただいた」,「脳科学の進歩に伴って,教育の分野も変わらないといけないところがあると思っているので本日のお話は大変興味深かった。発達障がいのある子が増えているとよく言われているが,その背景には脳の形成・脳へ影響を及ぼすものが関係しているのではないかとも思われる。そういった観点からもこういった脳科学の分野の研究が進むことを望んでいる」などといった声が届いています。
 昨今の子どもたちの問題を考えると,教育と脳科学の連携は重要です。その第一歩として,まず,共通の言葉で話し合えるようになることが必要ではないでしょうか。今回のご講演は,専門用語,専門的知見を理解できるようになることの大切さを改めて教えてくださったように思います。

 

(文責 松村 京子)

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