第24回「ワーキングメモリと前頭葉」・開催報告

教育実践学フォーラム~学校教育の諸問題と可能性を求めて~
2011年度メインテーマ  「子どもの発達と教育:新たな視点」

  教育実践学フォーラム2011では,古くからの課題である「子どもの発達と教育」に新たな視点を当て,最新の研究動向について知る機会を共有することを目的として,「子どもの発達と教育:新たな視点」をテーマとしました。第2回目は,平成23年12月3日(土)に,船橋新太郎先生(京都大学こころの未来研究センター教授)をお招きし,「ワーキングメモリと前頭葉」と題して,ご講演いただきました。

 ワーキングメモリは,思考や判断,意思決定,言語理解をはじめ,私たちが日々行っている様々な認知活動と密接に関わっている機能です。脳の様々な部位がこの機能に関与していますが,中でも,前頭連合野の重要な働きである実行機能を支える仕組みを考えるとき,ワーキングメモリは最も重要な概念になります。船橋先生は,前頭連合野とワーキングメモリとの関係を中心に,前頭連合野が思考,判断,注意,意思決定にどのように関わっているのか,ワーキングメモリは前頭連合野のどのような神経機構で実現されているのか,前頭連合野はどのようにして脳の司令塔としての機能を実現しているのか,そして,前頭連合野の働きはどのように発達するのか,について分りやすくお話くださいました。 

 船橋先生のご講演について,「ワーキングメモリと短期記憶の違いがとてもよく理解できました」,「日常指導している子どもたち(障害のある子どもたち)の認知特性のこととつなげて考えられて勉強になりました」,「貴重で,積み重ねられたデータをもとにとてもわかりやすいお話でした」,「膨大な研究からの知見をもとに丁寧に説明していただいたので,ワーキングメモリについて,今まで漠然としていた部分が良く分かりました」など,多くの参加者の声が届いています。船橋先生のお話から,教育現場で行われている思考や意思決定のメカニズムについて理解を深めることができました

(文責:松村京子連合学校教育学研究科研究主幹)

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